局所多汗症は自律神経の乱れによるもの?改善方法を知りたい
局所多汗症は、体の一部の部位だけに大量に汗をかいてしまう病気です。
多汗症の患者の大多数が局所多汗症に分類されると言われています。様々な治療法があるほか、軽度の場合には生活習慣の見直しや体質改善でも症状を軽くすることができます。
体の一部にだけ汗をかく局所多汗症とは
多汗症は日常生活に支障をきたすほどの汗をかく症状ですが、それがわきの下や手のひら、足の裏など特定の部位にだけ起こるのが局所多汗症です。
汗は無意識に分泌されますが、これは自律神経の働きによるもので、体の機能を調整する働きをしています。
自律神経には体を緊張させる交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、多汗症は交感神経が過敏な状態になって起こると考えられています。
局所多汗症は、緊張や動揺などのストレスを感じた時に起こりやすく、汗を気にすることで余計に発汗してしまう悪循環に陥ります。
手術による改善方法について
多汗症の手術には様々な種類があります。それぞれの術式によって効果のある部位や効果の持続性に違いがあります。
大きく分けると、汗を出す汗腺にアプローチするものと交感神経に対して行われるものに分けることができます。
わきの下に行う手術としては直視下摘除法があります。
この手術はわきの下を4センチ程切開して汗腺を全て取り除きます。効果は非常に高いですが、傷跡が残ります。
手のひらや足裏の多汗症の改善方法としては交感神経遮断術があります。
交感神経に薬剤を注入したり、切断することによって交感神経の働きを無くして汗を止めます。効果は永続しますが、代償性発汗などのリスクが高まります。
そして全身の全てに使えるのがボトックス注射です。
汗腺の働きを麻痺させる効果があり、注射のみなので副作用などもほとんど無い改善方法です。しかしながら効果の持続時間は半年から一年程度と短いものとなっています。
日常生活で行う多汗症対策
多汗症の症状を改善するのは病院での手術や治療が最も効果的ですが、費用がかかることや傷跡や副作用のリスクを考慮する場合には、軽度の症状であれば日常生活でできる多汗症対策も有効な選択肢となります。
こまめに下着や靴下を取り替えて汗を拭き、身に付けるものは通気性の良いものを心がけるほか、制汗剤や汗取りシートなどを活用します。
におい対策には消臭スプレーやミョウバン水なども効果的です。
また近年人気となっているのが塗るボトックスと呼ばれている塩化アルミニウムを配合した制汗剤で、汗を止める効果は3日程で現れ始め、1週間程持続させることができます。