多汗症の治療は薬で治すか手術をするか。料金や治療内容を比較
誰でも汗をかくものですが、一般的な人に比べて大量の汗をかくのが多汗症の症状です。
実は多汗症に悩まされている人は多いのですが、その治療法はどのようなものがあるのでしょうか。また、料金はどのぐらいなのでしょうか。
多汗症の治療の種類について
多汗症には保険適用になるクリニックでの治療から、美容外科などで行う保険適用外のものまで幅広く存在します。
軽度の場合は投薬や制汗作用のあるクリームなどの処方が中心となりますが、症状が重い場合には手術という方法もあります。
手術について
手術は保険適用として最も一般的な方法はETSと呼ばれるものです。
これは別名「腔鏡下胸部交感神経遮断術」といいます。脇と肋骨の間にある交感神経を、脇に小さな穴をあけて内視鏡で見ながら切断する方法です。
多汗症の原因は交感神経が過敏に働き過ぎるためなので、交感神経を遮断することで汗の量が減ります。ただし、ETSを行った場合、代償性発汗という後遺症が出ることが多く、その程度は個人差が大きなものですが、胸から下の別の部分に汗をかきやすくなるという症状が出ることがあります。
ETSの料金は10万円前後というのが一般的です。
もう一つの保険適用の手術法は剪除法というもので、脇の下の皮膚に切り込みを入れてひっくり返し、汗腺を一つ一つ除去していく方法です。剪除法は通常ワキガ治療に主に用いられる術用ですが、多汗症にも効果があるとされています。
剪除法の料金は両脇で5万円以下となります。
ボトックス注射
手術でメスを入れるのが怖いという人や後遺症が気になるという人にはボトックス注射という選択もあります。
ボトックス注射はボツリヌス菌から作られた筋肉を麻痺させる作用がある成分を注射することで交感神経の働きも制御できるというものです。
また、筋肉を収縮させて汗腺を小さくする働きもあるため、汗の量が減ります。
注射をするだけなので体への負担は小さいのですが、半年~1年で効果が無くなるので継続して受ける必要があります。
ただし、精神性発汗から来ている人の場合は、ボトックス注射により発汗を気にしなくなることで永久的に完治してしまうことも多くあります。
ボトックス注射は保険適用外となります。自由診療となるためクリニックによってその価格は異なり、1回5~15万円ほどが一般的となっています。
多汗症の治療と一言でいっても、方法も料金も大きく異なるので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。