汗かきトーク

手に汗をかいたとよく言ったりしますが、その量が多い場合は、かなり深刻な悩みとなります。人に見られたり知られたら恥ずかしいと思うのはもちろん、日常生活に支障をきたす場合もあるのです。

手汗が多くて困ることは？

手汗が起こる原因は現在の所明確に解明されているわけではありません。
例えば、ストレスが溜まったり極度の緊張状態にあるときなどは手に汗をかきやすくなることがあります。

とはいえこのような現象も一時的なもので、通常は気にしなければ自然と収まるものです。
しかし、日常的に大量の手汗をかく場合は手掌多汗症と呼ばれる症状の可能性があります。
この症状は体の他の部位は汗をかいていなかったとしても、手のひらにだけ異常なほどの発汗が見られます。

ノートなどの紙が汗で濡れてしまったり、普通にしていてもぽたぽたと垂れてくるときもあり、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。

手汗を改善させる手術とは？

手掌多汗症を根本的に改善するための方法にETS手術と呼ばれるものがあります。
手のひらの汗腺に汗が分泌されるのは、胸部にある交感神経が脳から指令を受けているためであることが分かっています。

この手の汗を出す神経を切ってしまうことで根本の原因にアプローチし、手汗を改善しようするのがETS手術です。
脇の下を数ミリメスで切り、そこから内視鏡と電気メスを組み合わせた細い管を入れて背骨の近くの交感神経の束を一部切除します。

両手のひらの処置をするためには、同じようにもう片方の脇の下からも同じように施術をする必要があります。
手術は当日で終わり、痛みもほぼありません。

手術後はどうなるの？

ETS手術を行うと、その時点からほぼ永久的に手汗が止まると言われています。
今まで日常生活で困っていたこともできるようになるでしょう。

しかし、副作用として代償性発汗と呼ばれる他の部位の発汗がかなりの確率で起こります。
施術後は首や顔など上半身から出る汗の量も減少することがあります。
そうなると、体は適度に汗をかいて熱を発散させ体温を一定に保とうとします。
そのため他の部位の汗の量を増やして調整をしようとする働きが見られます。
その結果特に太ももやお尻、お腹や背中など下半身に大量の汗をかくようになることがあります。

その他、手汗が出なくなることから手のひらが乾燥したり、味覚に変化が生じて辛いものや酸っぱいものを食べると顔などに汗をかいてしまうことがあります。
このような副作用のリスクについては医師から事前に必ず説明があります。

現在の症状とその後に起こる可能性のあるリスクを照らし合わせ、よく考えてから施術を検討することが大切です。