手のひら多汗症の治療法。長年の手汗の悩みを改善する方法があった
体の特定の部分にだけ大量に汗をかく症状のことを、局所性多汗症といいます。
その中でも手のひらにだけ大量に汗をかいてしまうのが手掌多汗症です。
実はそこまで珍しい病気ではなく、たくさんの人が悩んでいます。
人は緊張したり興奮したりすると手のひらに汗をかきますが、これは自然なもので、精神が落ち着いてくると汗も自然と引いていきます。
手掌多汗症の場合は、特に緊張していないときでも汗で手が湿っていて、そのせいで人と握手ができなかったり、本やノートが濡れてしまったり、触ったものがべたべたになったりと、生活する上でいろいろな支障が現れてしまいます。手掌多汗症の原因ははっきりとは分かっていませんが、自律神経の乱れが原因になっていると考えられています。
まずは生活リズムを整えることから
手汗が出やすいのは自律神経の乱れが原因である場合があります。
生活を見直すことで、自律神経のバランスを整えましょう。
まず規則正しい生活を送るようにします。
労働や運動を行っているときは交感神経が、就寝時などリラックスしているときは副交感神経が優位に働いています。規則正しい生活を送ると、この2つの神経の切り替えがスムーズに行われるようになり、自然とリズムが整ってきます。
そして何より大切なのが、手汗を気にしすぎないようにすることです。精神的なストレスや緊張は汗を増やす原因になるので、悪循環に陥らないようにするためにも有効です。
病院で受けられる治療とは
病院で受けられる治療にはいろいろな種類があります。
まず汗をかくことに対する不安や恐怖を和らげるための心身療法があります。
ここでは緊張を和らげるための精神安定剤が処方されたり、自律訓練法で症状を改善させることを目指します。
ほかにも薬物療法などがあります。
汗腺を刺激する神経伝達物質を遮断する神経遮断薬を服用する方法や、ボツリヌス注射によって汗の量を減らす方法、外用薬で汗腺を塞ぐことで汗を減らす方法などがあります。
手術のメリットとデメリット
手術で交感神経を切断してしまうと言う治療手段もあります。
胸腔鏡下交感神経節遮断術という手術で、手のひらの汗腺に信号を伝える神経を切断する手術です。
この手術を受けるとほぼ完全に手汗を止めることが可能で、効果は生涯続くと考えられています。しかし手のひらに汗をかかなくなるかわりに、胸や背中、お腹、お尻、太ももなどの汗の量が増える代償性発汗とよばれる副作用が起こりやすいので注意が必要です。
デメリットもよく理解した上で検討しましょう。